感動の嵐を呼んだ稀勢の里の優勝から一夜明け、
皆様すっかり忘れてしまったかもしれませんが
 
25日、私の真打昇進披露宴が上野精養軒でありました。

すみません、今日のブログは長いです。
適当に読み飛ばしてください。
 
披露宴当日は、沢山の方にご出席いただきました。
誠にありがとうございました。

今回、披露宴をさせていただくにあたり、
一番、私が考えましたのは
「感謝を伝える」
ということでした。
 
私の「一龍齋貞寿」という名前は、厳密にいえば初代ではありません。
弁士山野一郎先生が名乗っていらした名前でもあります。
手前みそではありますが、「一龍齋貞寿」という名前は本当にいい名前だと思うのです。
こんなに素敵な名前を、前座のうちから名乗らせていただけた。
「一龍齋貞寿」として、芸人人生をスタートすることができた。
まず、そこに感謝したいと思い、余興は弁士の片岡一郎さんにお願いしました。
山野先生を皆さんに知って頂けるような内容にしていただくように。
そして、ご遺族の方にもお出で頂いて、御一緒に山野先生のフィルムなどをご覧いただきたかった。
「一龍齋貞寿」として、初代も含めてのお披露目になったらいいなぁ、と思って企画しました。
 
もう一つの余興は、私が前座時代よりお世話になっている荒木町所縁の太鼓チーム。
マニアの方はお気づきかもしれませんが、この太鼓チームのリーダーは杵屋松紀三。
私が「話音」として、一緒にやっている三味線のお師匠さんです。
相方の為に、と、お祝いに来てくれました。
この街の人たちに、どれくらい助けていただいたことか。
大好きな人たちが、駆け付けてくれたのがとてもうれしかったです。
 
それから、もう一つ、私が前座時代からお世話になっているのが、横浜チーム。

パーティの時にご紹介しそびれましたが、今回作って頂いた後ろ幕の大半は、この横浜チームによるものです。
華高座、希高座の皆さんには、前座の頃より本当にお世話になりました。
私が酒飲みになったのは、この人たちのせいだと言っても過言ではありません!
マニアの方はお気づきかもしれませんが、中央の龍の紋は、私が二つ目時代にはじめてつくった手ぬぐいに入れた柄で、大のお気に入りでした。
前座から二つ目になった時の、あの嬉しかった時の気持ちを忘れないように。
そう思って、今回、後ろ幕に入れました。

横浜チームだけれはなく、毎年お世話になっている福井のオフィスタクト様、披露興行でもお世話になる神保町講談会様、そして、太鼓チーム荒魂からも御協力いただいて作成した後ろ幕でございます。
白抜きになっちゃってるので、遠目で分かりにくいのが残念ですけども、披露の時には後ろ幕にもご注目頂ければと存じます。
 
引き出物は、かなり細分化してしまいました。
芸人用の引き出物などは、もはやオーダーメイドになっておりまして個別です(笑)
 
一般のお客様には、いわゆる三点セットの他に、手作りの張り扇、三方ヶ原軍記の簡単な台本、そして猫クッキーを入れさせていただきました。
 
猫クッキーは、私も参加させてもらっているネコリパ寄席を開催しております「ネコリパブリック東京」で販売しているものです。
せっかくお金を使うなら、保護猫活動の一環にしてもらえたらいいな、と思いました。
私の猫好きは(多分)みなさん御存じだと思いますし、お子さんや女性にも喜んでもらえそうだし。
マニアの方はお気づきかもしれませんが、311の時に作った猫ポストカードもおまけにつけてみました。
本当に微力ながら、保護猫活動をされている方々の応援になったらいいなと思い、選んだものです。
 
張り扇は、すべて手作りです。
講談好きのお客様が一番欲しいものは、きっと、張り扇じゃないかな、と思って。
お客様にも感謝をこめた引き出物を用意したかったんです。
でも、これ、売ってないんですよねぇ…。
そのため、竹を切るところから始め、一本一本夜なべして作りました。
おくばりした張り扇の中には、のりづけがあまいもの、やたら太いのがあります。
それは、貞奈さんがつくった張り扇です(笑)
二人でせっせと作ったんですけど、貞奈さんが入門してきて約一年、これが初めての共同作業になりました。
師匠の事、講談の事、前座になっての悩み、今後の事…そんなことをしゃべりながら一緒に作った張り扇でして、私にとっても思い出深いです。
多少不格好かもしれませんが、心をこめて作りました。
よかったら、張り扇叩きながら、三方ヶ原を読んでみてください。
そしたらきっと、もっと、講談を好きになってくれるんじゃないかな。
 
司会には、たっての希望が叶いまして、貞山先生がお引き受けくださいました。

あの、暖かく、講釈師然とした司会ぶり。
お願いして本当に良かった。
本当に嬉しかった。
 
貞水先生のご挨拶、貞山先生の司会、貞花先生の大締め…と、
一龍齋の幹部の先生方が全員、お力添えくださいました。
春水先生も貞橘兄さんも客席で暖かく見守って下さり、
貞友先生は都合でお出でになれませんでしたが、暖かいお言葉ととても素敵な贈り物を頂戴しました。
貞弥さんは番頭として、貞鏡さんは受付として、影の力として助けてくれました。
一龍齋一門、全員にお力添えを頂きました。
本当に嬉しかった。
 
ご挨拶には、私が講談を大好きになったきっかけでもあり、心より御尊敬申し上げている貞水先生。
師匠と五十年来のお付き合いで、私もお世話になっている錦城先生。
お忙しい中お出でくださった神津先生、メイコ先生。
前座の頃からお世話になっていて、一番の憧れであり、ずっと背中を追いかけて行きたい喬太郎師匠。
私が愛してやまない赤穂義士伝、大石内蔵助隠棲の地にある山科岩屋寺ご住職様。
本牧亭のおかみさんが、乾杯の御発声を。
そして、前座の頃からお世話になっていて、憧れてやまない日本一の紙切り正楽師匠に中締めをお願いしました。

本当に嬉しかった。
 
自己満足でしかないかもしれませんが、私が主役、なんて気持ちはみじんもなくて。
大好きな方たちに少しでも感謝を伝えられるように。
応援してくださった方たちに少しでも感謝を伝えられるように。
そう考えて、準備したものでした。
 
当日は、もうバタバタしていて、なにがなにやら。
皆さんに楽しんでもらえたか。
終わってから今でも心配でならないのですが。
ご出席くださったお客様、本当にありがとうございました。
また、都合でお出でになれなかったお客様、
これまで支えてくださった方々全てに、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
 
ほーら、すごい長文。
でも、書き足りないくらいなんだよ。
 
長々書いてきましたけども、
この一枚が、全てを表してくれている気がします。

凄い写真。

奇跡の写真。

こんな顔ぶれでの写真はきっともうない気がします。
良き先輩たちにお力添えを頂き、私は幸せ者です。
本当にありがとうございました。
 
また、絶対に忘れてはいけないのは、

この一枚。

後輩たちが一生懸命頑張ってくれました。
全員手抜きなし、一生懸命手伝ってくれました。
滞りなく披露宴を終えることが出来ましたのは、彼女たちがいてくれたからこそ。
良き後輩に助けられ、私は幸せ者です。
本当にありがとうございました。
 
そして、この日、
一番感謝を伝えなければいけないのは、この方です。

到らない点が色々あったと思いますが、
すべてが終わった後、師匠が、
「いい披露宴だった。よく頑張った。」
そう、おっしゃってくださいました。
物凄く満足げに笑っていらした。
私は、師匠のその笑顔が見たくて一年間準備してきたので、師匠からそう言われた時は「感無量」といった心持でした。

少しは師匠に恩返しができたかな。
十四年間、本当にありがとうございました。
 

私は、まだまだ未熟な講談師ですが。
沢山の方が手を貸してくださる。
お力添えをしてくださる。
本当にありがたいことでございます。
 
いつか。
私も誰かに力を貸してあげられるようになりたい。

そう思いました。
 
来月から興行もはじまります。
頑張ります。
本当にありがとうございました!!


(やっぱり親子感が満載なんですけど、師弟です)

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