おはようございます。
貞寿です。

今朝、物凄くリアルな夢を見まして。
それが、少しいじれば「新作になるんじゃない?」という夢でした。
朝起きて、作っちゃおうかな?と思ったんですけど、作っても高座にかけれないしね。
でも、ちょっと面白かったので、顛末だけ書きます。

長いわよ。
あくまで、観た夢の話よ。

☆☆☆

5月6日までと言われていた緊急事態宣言が延長となり、世の中には、コロナ疲れによる「コロナ鬱」が深刻な社会問題となったころ。
ようやく文○庁が、アーティスト支援も兼ねて、「コロナ疲れの国民に芸術を届けよう」的な事業を始めることになりました。

さあ、それから各団体にいろんな依頼が来るようになる。
これまで、自粛自粛で活躍の場がなかったアーテイストたちは「待ってました」とばかりに名乗りを上げました。
もちろん、我が伝統芸能部門にも依頼が参りまして、何組かが選抜されて慰問に行くことになりました。

ところが。
その参加資格が非常に厳しい。

1.原則二人、芸種の異なる組み合わせであること(落語が二人、とかはNG。落語と講談、とか、落語と紙切り、とか芸種の異なる組み合わせであること。また、浪曲においては曲師を含む三人も可)
※芸種による偏りを防ぐため
1.原則芸歴三十年以下の真打と、芸歴三十年以上の真打による組み合わせであること。(色物など例外あり。できるだけ、若手とベテランという組み合わせが望ましい)
1.文○庁が主催、または協賛している事業に出演したことがあること。
1.学校公演に○回以上出演したことがあること。
…などなど。

分厚い参加資格の要綱が配られて、いろいろ読んでみたら、どうやら私は芸歴三十年以下の講談師の真打としては参加資格がある、ということになって。
「じゃあ、やりましょうか」と、某噺家の師匠と一緒に行くことになりました。

私が派遣された場所というのが、学校とか、医療従事者とか、いくつかある派遣先の中の一つで、「役所」でした。
役所には、助成金、失業保険等の申請や手続きをする人が集まるため、一向に休めず、疲弊している人が沢山いる、とのこと。

「学校だったらやりやすいけど、役所って、なにをやればいいんでしょうねぇ…」

これ、上演する演目にも色々と規制がありまして、

1.コロナを連想させる話をしてはいけない
1.人が死ぬ話をしてはいけない
1.原則、古典
1.若手が20分、ベテランが30分、合計50分の公演を原則とする
とか、いろいろある。

「仇討ちはダメですよねぇ。義士伝は全滅だ」
「コロナを連想させる話ってなんだ?」
御一緒の某師匠と色々と打ち合わせまして。
めんどくさい規制が山のようにある中、それでも「楽しんでもらいたい」「久しぶりの高座だからしっかりやりたい」と散々考え、私は「石川一夢」をやることにしました。
あれなら20分でいけるし、訳あって話が出来ない講談師をお客様が救ってくれるっていう話だし、時代的にいいかな、と。
「ああ、それはいいね」
という話になって、当日を迎えることになりました。

場所は、役所の大会議室みたいなところで。
久しぶりに着物に着替えて高座にあがるもんだから、ドキドキしながら出て行ったら。

観客が全員、宇宙飛行士が着る宇宙服みたいなやつ、着てるの。

酸素ボンベ担いで。
だから、表情がまったく見えない!!声も聞こえない!!

拍手してくれてるんだけど、手袋してるから、パフパフパフ…っていう音しかしない!!

「嘘だろ、おい」

思っていたら、脇にいた役人が

「あ、大丈夫です、防護服にはスピーカーがついているので、あちらに声は聞こえてます」

「いや、そういうことじゃない!」

それでも一生懸命話を続けて、

「一夢が高座に上がると、久し振りに一夢を観たいというお客がワッとばかりに押し寄せ、満場立錐の余地もないほどの大入りだ」
と言ったところで、脇にいた役人が飛んで来て
 

「あの、すみません!」
「は、はい、あの、なんでしょう?」

「注意事項、お読みになりませんでしたか?」

「いや、読みましたけど…あの、なにかまずかったですか?」

と聞いたら

「三密は避けてください!」

えええええ。それもダメなのぉぉぉぉ。

…ってところで、目が覚めました(笑)

現実になりませんように。

©2024 一龍齋貞寿

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