師走も後半戦。

ようやく義士月の山場を越え、あとはイブの朝練とクリスマスの独演会を残すのみ。
こんばんは、貞寿です。
今日、やっと
アル☆カンパニー
「荒れ野」
を観に行きました。

平田満さん、井上加奈子さんという大ベテランに、KAKUTAの桑原裕子さんが書き下ろしで演出される、と聴いたら、そりゃーもう、行かないわけにはいかない。
「絶対に見に行く!」
そう心に決めたものの、なにしろ公演期間が12月14日~22日まで。
講談師が一番忙しい時期じゃん!!
ギリギリまで粘って、ようやく本日楽日に滑り込みで観に行くことができました。
ニュータウンの火事で、夫の幼なじみの女性の家に避難してきた夫婦とその娘。
風変わりなご近所さんでほぼ同居人の二人と、避難先である団地の一室で巻き起こる大人のドラマ。
…とでもいいましょうか。
非常にビターな、大人のドラマ、でした。
劇中のセリフで
「守りたいのか、壊したいのか、どっちなんだ?!」
と聞かれ
「わからない!!」
と答えるシーンがありまして。
ああ、そうだよね。
わからないよね。
心臓をギュッと握られたような気持ちになりました。
自分が、欲しいと思っている形で愛が手に入らなかったとき。
人はどうするでしょう。
自分ではどうすることも出来ず。
ともすれば、相手すらどうにもならず。
欲しいものは、求めても得られず。
でも、手の中の玉も手放すことが出来ず。
そんな時は、多分、気がつかないふりをしてしまうと思うのです。
耳をふさぎ、目を閉じ、笑う。
なにもなかったことにすれば、
気がつかなかったことにすれば、
いまの状況だけは維持していくことができる。
いまが幸せだと、思い込もうとする。
だから、耳をふさぎ、目を閉じ、笑う。
でも、それはただ、燃えている炭火に無理やり蓋をしているようなもので、中では、沸々と種火がくすぶっている。
火は消えたわけではなく、くすぶっているだけ。
なにかのきっかけで蓋が開いてしまったら、新鮮な酸素をうけて一気に燃えてしまう。
そしたら、もう、簡単には消えない。
相手を試し、責め、問いただす。
自分がどれだけ辛かったか。
寂しかったか。
惨めだったか。
一気に溢れ出した火はもう簡単には消えない。
本人ですら、抑えることができなくなってしまう。
でも、口に出してしまったら。
もう、気がつかなかったことには出来ない。
何かしらの答えを出さなきゃいけない。
それなのに
「守りたいのか、壊したいのか、どっちなんだ?!」
と聞かれても
「わからない!!」
としか答えられない。
守りたくて、壊したい。
変えたくて、変わりたくない。
わかってほしくて、知られたくない。
これは男女だけに限らず、
男と男、女と女、老人と若者…
すべての人に当てはまる。
人というのは誠に面倒くさい生き物です。
こういう、
白黒分けることが出来ず、
口に出してしまったら後に引けず、
答えもでず、
私だったら
「とりあえず、なかったことにして笑っておこう」
と思うところを、バラさんは見事についてくる。
バラさんのお芝居は、いつも、刺さる。
私はバラさんファンだなぁ。
しみじみ。
私もいつか、
人の心に刺さる講談が読める講談師になれるといいな。
そんなことを思った冬至の夜。
今年もあと少し。
残り少ない高座、がんばります。
そんなところで、今日は、とりあえず寝ます(笑)
明日もいい1日でありますように。
おやすみなさい。

©2021 一龍齋貞寿

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