貞山先生が亡くなって、何日たったでしょうか。

 

今日まで、貞山先生のことを一切書いてきませんでしたが、少しだけ書きたいと思います。

 

講談師の先生方の中で、私がもっとも可愛がって頂いたのは、貞山先生でした。

 

先生はカラオケが大好きでいらしたので、いつもカラオケ行ってから飲みに行く、というパターンでしたが、一つの店に長くいられない先生と、転々と梯子しながら、ずーっと、ずーっと講談の話ばかりしていました。

 

近くにいたからこそ、私は先生から一席も教わることができませんでした。

一つの話を作るのに、先生がどれだけのこだわりをお持ちでいらしたか、よく、わかっていたから。

 

それでも。

 

司会嫌いの先生に、真打昇進披露宴の司会をしていただけたことは、私の、生涯の宝です。

 

 

デフォルトで二枚目、とにかく何をしてもカッコイイ先生だったので、改めて思い出すのは、なんといいますか、先生のかわいらしい、といっては失礼だと思いますが、そういうところばかりです。

 

正直、貞山先生の死は、まだ、1ミリも受け止められていません。

 

貞水先生のことすら、まだ、自分の中で整理できていないのに、

貞山先生のことを受け止められるはずがないのです。

 

神様は、連れて行ってほしくない人ばかり、連れて行ってしまう。

そう思われてなりません。

 

ただ、ひとつだけ。

皆様に申し上げたいことがあります。

 

貞水先生が亡くなった時も

貞山先生が亡くなった時も

「観に行けばよかった、残念」という人がなんと多いことか。

 

死んでから悔やむなら、

生きている内に観てほしかった。

 

一人でも多くの方に、

そのすばらしさを観ていただきたかったです。

 

芸も、人の命も、有限です。

いま、ここにある芸は、

いま、ここにしかありません。

あとでいくら音源や映像で見ても、生で見る以上の感動は味わえません。

 

今はコロナで、なかなか難しいとは思いますが、終息した後には、ぜひ、寄席や釈場に実際に足を運んでいただけたら幸いです。

 

まだまだ、受け止めきれないことばかりですが。

 

心から尊敬していた先生方と、

長い間、共に過ごすことができたことを、

ピカピカの心の勲章にして、

胸を張って、

今後も講談師として生きていこうと思います。

 

楽屋の真打ではなく、

高座の真打でいられるように。

 

(2021年初席にて)
 

ありがとうございました。

 

なお貞山先生のお別れ会等の予定は未定です。

決まりましたら改めてお知らせいたしますので、

貞鏡さんにお問い合わせ等はお控えくださいますようお願い申し上げます。

©2021 一龍齋貞寿

赤井情報網

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