今日は、朝から寒い日で。
電車移動中に降り出した初雪。
チラホラ舞う雪を見て
「ああ、義士読むのにぴったりだな」と思いました。
こんなことを考えるのは、きっと講談師くらいでしょうね。
貞寿です。
今日は、今年初の貞寿の会でした。
ラインナップは、
殿中刃傷~内匠頭切腹
仲いり
山科閑居~内蔵助切腹~宇都宮十兵衛
…という。
本伝、外伝、銘々伝を組合せた複雑な内容にチャレンジ!の会。
いや、正直、たなおろし&ねたおろしでこの内容は、チャレンジじゃなくて無謀だったように思うのですが、まあ、ややパンク気味になんとか終えた、という感じでしょうか。
ただね。
出来の反省点は勿論沢山あるのだけど。
でも、これって義士伝の新しい楽しみ方かもしれない、なんて思ったりします。
義士伝は、様々な話が、討ち入り前から討ち入り後まで、時系列や立場を変えてパラレルワールドのように走っています。
主軸である「本伝」
四十七士個人を描く「銘々伝」
そして、義士をとりまく「外伝」
それぞれが、個々の話としてだけではなく、裏となり表となって流れている。
だから、切り取り方によって幾重にも組み替え、合わせることが可能なのです。
なんと豊かな話でしょう!
改めて義士伝の厚さを感じます。
今日は、前回やった「討ち入りまで」の続きで、「討ち入り後」を表のテーマに。
そして、裏テーマは「切腹」として構成しました。
義士伝は、「切腹」だけをとっても、様々な腹の切りようがあります。
「澤村淀五郎」の中にも、
「忠臣蔵ってのは、判官様の切腹もあれば、勘平の腹切りもある」
という台詞がありますが。
今回の話の中では、
遺恨を残しながら責任を問われ切腹をする内匠頭。
見事本懐を遂げて晴れ晴れと切腹をする内蔵助。
そして、懺悔の思いで切腹をする宇都宮十兵衛。
三者三様の切腹の様子を描いてみました。
まだまだ未熟で、やりたいことを完全にはやりきれていないのですが。
でも、これらは全て真打昇進前に「義士伝」に集中してやりこんでいた期間があるからこそ出来ることで。
やっていなければ、こんな構成、考えもしなかったはず。
ここにもし。
吉良の話や、討ち入りに参加できなかった人の話が加わったら。
もっともっと、違う視点で、違うテーマで物語を構成できる!
考えただけで、ワクワクが止まらない!
(≧▽≦)
ああ、やっぱり私は講談が好きなんだな。
そう思った1日でした。
義士伝は、生涯かけてライフワークとしてやり続ける。
そう決めてはいますが。
この「貞寿の会」は、生涯追いかけていかなければいけない、私の師匠貞心の背中を追う会、としてやらせていただいてます。
次回3月は、義士伝はお休みしまして、師匠の得意な話の中から申し上げることになると思います。
もし、良かったら、お運びください。
ご来場ありがとうございました。