おはようございます。
貞寿@いったいいつ東京に戻るんだ?
まだ、富山におります。
もちろん、富山にいるからといって、毎日、遊んでいるわけではありません。
いま、四谷怪談の速記を一から読み直して、要点をまとめなおしています。
日本で一番有名な怪談「四谷怪談」
でも、どんな話なのかしらない方も多いのではないでしょうか。
「知ってる、知ってる、お岩さんが化けて出て、お皿数えるんでしょ?」
ちがーう!!それは番町皿屋敷!!
…という会話を何度したかしれません(笑)
そもそも四谷怪談は(諸説ありますが)四谷雑談集という四谷周辺の伝記をを元に作られています。
これを忠臣蔵の外伝として鶴屋南北が脚色しなおしたのが、東海道四谷怪談。
だから、講談の四谷怪談と歌舞伎の東海道四谷怪談は似通う部分もありますが違うお話です。
岩の顔に薬品をかけて、醜い顔にしたり、
戸板返しのシーンがあるのが、歌舞伎。
講談には、そういう派手な演出はありません。
四谷左門町の御家人の娘で貞女の岩が、夫である伊右衛門に騙されて殺害され、それを恨みに岩が化けて出てくる…というのが四谷怪談のあらすじ。
(ざっくり言うとね)
講談だと(演者によって異なりますが)私が持っている速記だと全22話。
なんと岩の母親おつなと、父親である伝助とのなれそめから始まります。
そこからかーい!!
そうなの、そこからなんです。
岩が生まれる前から始まるのです。
なぜかというと、講談の怪談は「因果」によってひきおこります。
海外のホラーとは違い、得体の知れないものによる惨劇、ではなく、日本の怪談は因果応報。
自分のしたことが、めぐりめぐって帰ってくる。
しかも、それは自分だけにとどまりません。
よく「親の因果が子に報い」なんて言いますが、四谷怪談も、親の時代からの因果がきっかけでお話の幕開けとなるわけです。
だから、親のなれそめから始まるのね。
でも、四谷怪談の第一話
「おつな伝助なれそめ」
この話は、読まれることがありません。
ほとんどの方が「お岩誕生」からしか聞いたことがないと思います。
なぜか。
実はね。
この「おつな伝助なれそめ」は、
まさか、まさかの滑稽話なんです!(笑)
まじか!
いや、速記の上ではさほど滑稽にはなっていないのだけど、私が読むとしたら確実に滑稽寄りに作るだろうなっていうお話なんです。
どういう話かというと、
四谷左門町の御家人、田宮又左衛門の一人娘おつなは醜女の為に婿のなり手がない。
そこで、この際だれでもいい、と、奉公人である伝助にターゲットを絞り、
「伝助、寒いだろう、娘の部屋は暖かい、おつなの部屋で寝たらどうだ」
と、娘の部屋へ伝助を無理矢理むかわせる。
行くと、おつなが手ぐすね引いて待っている。
「伝助さん、寒いでしょう、もっとこっちへおいでなさいよう…」
寝所は暗いものだから、おつなの顔は見えない。
伝助が寒さに耐えかね、おつなのそばに行くと、鼻をかすめる鬢付け油の甘い匂いが。
伝助も若い男、矢も立てもたまらなくなりまして
「おつなお嬢さまー!!」
ゴチャゴチャゴチャ。
このあと、おつなが懐妊をしてしまったので、しかたなく伝助はおつなを連れて、伝助の叔父の所に身を寄せます。
そんでもって、この叔父さんも微妙に早とちりしがちな人物。(笑)
この叔父さんの仲立ちで、二人は所帯を持つわけです。
四谷怪談全22話の中で、唯一、ほのぼのとした楽しい話。
それが、
「おつな伝助なれそめ」
なんですね。
ああ、この話、いつか一席にしてやりたいな。
明るく楽しい四谷怪談(笑)
たまには、こういう話もいいですよね。
8月18日に申し上げる四谷怪談の会では、
残念ながら「おつな伝助なれそめ」は申し上げられません。
この時、おつなが懐妊した子、お岩の誕生~伊右衛門の最期まで。
全部、陰惨なお話です。
(すみません)
☆8月18日(日)
四谷怪談~音曲入りにて通しで申し上げ候~
【開演】13:00
【出演】貞寿、小助六、杵屋松紀三
【場所】上野広小路・お江戸上野広小路亭
【木戸】予約2000円、当日2500円
【問合】050-3390-2090(留守電にいれてね)
https://www2.teijyu.com/からも御予約可能
※多数のご予約ありがとうございます。
残席少なくなってまいりましたが、まだまだ御予約承っております。
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