しばらくブログ放置してました…。

よい年末をお過ごしですか?

貞寿です。

今日は、大みそか。

毎年、年の瀬には

「七味五悦三会」を考えます。

「今年食べた七つの美味しいもの」
「今年体験した五つの悦び(楽しかった事・幸せだった事・嬉しかった事など)」
「今年出会った三人の素敵な人」

これが満たされたら

「今年はいい年だったね」

ということなんですが。

今年は流石にすべて満たすことができませんでした。

コロナ禍においては、

美味しいものを食べに行ったり、

なにか楽しい思い出を作ったり、

新たな人と出会ったり…

全部、難しいですよね。

そんな2020年、振り返ってみれば。

1月は初席から。

楽屋でわいわい過ごしたいつもの正月。

いまとなっては懐かしい…。

そういえば、初めて夢花兄さんとの二人会も1月でした。

インパクトは強烈。

いまだに、あの筋肉が目に焼き付いて離れません(笑)

扇治師匠にもおいしい日本酒の会にお誘いいただき、幸せな1月でした。

この時はまさか今年がこんな一年になるとは思ってもいませんでした。

2月には念願かなって、長年行ってみたかったアンコールワットに行くことができました。

ここで行かなかったら、多分、もう数年先まで行けなかったでしょう。

久しぶりの海外。異国で新しい文化に触れることができました。

2月の中旬くらいから、じりじりと広がっていったコロナウィルスが、3月に入って本格化。

演芸会は次から次へと中止。

先行き見えず、一番、不安だった3月。

そんな中、ぎりぎり観た五分咲きの桜が切ない。

写真は平和そうなのにね。

4月。緊急事態宣言直前に伺った「自宅寄席」

本当なら別の演芸会の予定があったのですが、その会が中止。

でも、スタッフの皆さんが「貞寿を聞きたいから」と、自宅寄席を開いてくださった。

すべての高座が中止となり、今度いつ高座に上がれるのか不安でいっぱいな中、

「貞寿を聞きたい」といってくださった。

その気持ちがとてもとてもうれしくて、ちょっと忘れられない高座になりました。

そして、この会以降、丸二か月、高座に上がれなくなりました。

5月。緊急事態宣言下にて、初めて配信という形で高座に上がりました。

高座に上がれる喜びと、お客様のいない複雑さ。

こんなに人のいない新宿も初めて。

あけて6月。太陽でのリハビリ講談会!

二か月ぶりにお客様の前で講談を読みました。

お客様がいる!生体反応がある!という嬉しさったら。

「なんでもないようなことが、幸せだった」と改めて知った日。

(↑ロードか。古いわ)

7月。鈍い反応ながらも、だんだんと高座が復活。

正楽師匠にも久しぶりにお会いできるというラッキーもあり♪

でも、個人的に、なかなかエンジンかからず。

今年はやらないつもりだった自主公演を10月にやることに決めた月。

なにか目標を作らないと、と模索したときでした。

8月。譲渡会が開催できず、行き場のなかった保護猫さんを、縁あって、うちに迎えることになりました。

この時は、病気がちでか弱かった小さな子猫が、

たった数か月でこんなに丈夫でお転婆な猫に育つとは。

でも、多分、この子が来てくれたことが、今年一番うれしかったこと、かな。

9月くらいに、なんとなく7割くらい日常に戻った感じがあって、

稽古も一生懸命して、10月に自主公演。

コロナ禍での会は大変だったけど、なんとか頑張った!

11月には、ちょっとだけ地方での仕事もあったりして、

少しずつ、以前の状態を取り戻しつつあったのだけど、

12月、東京は新規感染者数が1000人を超える勢いで迎える年末。

私の知人にもコロナ感染者が出るなど、

私自身いまだ無事ではありますが、

「明日は我が身」

という言葉をかみしめる今日この頃。

また、12月2日に翠月先生、3日に貞水先生が亡くなりました。

翠月先生は、女流講談師第一号として、その道を切り開いてくださった大先輩。

翠月先生がいてくださらなかったら、こんなに女の講談師は増えなかったことでしょう。

そして、貞水先生は私にとって講談界の大恩人。

先生がいてくださらなかったら、私は講談師になっていません。

私だけでなく、

講談界にとって宝物のような先輩たちが、

極月、相次いで鬼籍に入られました。

幸せな幕開けだった2020年は、

不安な気分を抱えたまま年末を迎えました。

明日から、2021年。

どんな年になるんでしょうかね。

ワクチンによって、コロナは終息していくのでしょうか。

延期された会は、開催されるでしょうか。

私は、高座に上がって、講談を読むことができるでしょうか。

コロナ禍という異常事態が続く中、

ずっと見上げ続けた背中を失って、

視線は宙を舞うばかりです。

それでも、

落としていただいた露は下に落とさねばなりません。

沢山教えていただいたことを、少しでも後に残していけるよう、

頑張らなきゃいけないな、と思います。

来年は、とにかく「遠慮ばかりしないように」

「その話はお前には早いよ」といわれても、

勉強したいという自分の気持ちを優先したい。

「稽古をお願いしたらご迷惑かもしれない」と思っても、

教えてほしいという自分の気持ちに正直でいたい。

「私なんて」と引っ込んでしまわないように。

少しでも力をつけられるように。

そして、少し力をつけられたら、

微力ながらも、なにか恩返しができるよう、

頑張らなきゃいけないな、と思います。

戦争があったって、

演芸はなくなりませんでした。

緊急事態宣言があっても、

高座にあがることができました。

きっと、

来年も大丈夫。

少なくとも、

今年よりいい年になる。

そう信じています。

皆さんにとっても、今年は大変な一年だったと思います。

本当にお疲れさまでした。

皆さんにとっても

私にとっても

2021年が良い年になりますように。

©2024 一龍齋貞寿

赤井情報網

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