昨日は、
貞寿芸歴20周年記念
「錦の舞衣」~喬太郎・貞寿俥読み~
お運びくださいました皆様、本当にありがとうございました!
この会をやろうと決めたのは、今から約半年くらい前のこと。
それから昨日までの間、「錦の舞衣」のことが頭からはなれませんでした。
稽古すればするほど、この話の難しさに頭を抱える日々。
なぜ、この話をやろうと思ってしまったのか。
後悔すること数知れず。
また、喬太郎師匠と俥読み、という、恵まれすぎる機会を頂きましたが、
それは、私と師匠との実力差が残酷なまでに露呈する演出でもあります。
なぜ、俥読みをしようと思ってしまったのか。
後悔すること数知れず。
胃を痛め、
酒量が増し、
始まる前から密かに「もう二度とやりたくない」と思う始末。笑
でも、私の唯一同期女子である柳亭こみち師に言われた言葉
「もう二度とやりたくない、という会を重ねることで、芸人として大きくなれる」
この言葉をノートに書き記し、それを毎日眺めながら、なんとか、この日を迎えることができました。
私が
「やりたい」
といったことを、
沢山の人が、どうやったら実現できるか考え、力を貸してくださいました。
制作を名乗り出てくださった、ノラやさま。
写真、動画、そのほか、八面六臂の活躍で支えてくださった、遠山さま。
恐ろしいほど敏腕な舞台監督、杣谷さま。
私の裏方を一手に引き受けてくれた、深沢さま。
忙しい合間を縫ってチラシデザインを担当してくれた、とつかさま。
ぽろっと言った言葉を覚えていてくれて、見事な静御前をきってくれた、正楽師匠。
当日、本当に一生懸命働いてくれた前座の皆さま。
本当にありがとうございました。
もう、10年くらい一緒にやってきている、杵屋松紀三師匠。
彼の三味線がなければ「静御前の舞」のシーンは描けませんでした。
そして…魔人、柳家喬太郎師匠。
師匠がいてくださらなかったら、講談師、一龍齋貞寿はここにいません。
だれかが一人かけても、多分、この会は実現しなかったと思います。
本当にありがとうございました。
そして、なにより、足を運んでくださったお客様。
本当にありがとうございました。
今月にはいってから、「実はあまりチケットが売れていない」と聞き、当日どうなるか心配をしておりましたが、200名を超えるお客様にご来場いただきました。
お忙しい中、足を運んでいただきまして、誠にありがとうございました。
私は、人一倍講談が好き、というだけの人間です。
特に秀でたものがあるわけではありません。
でも、私には、私を助けてくれる沢山の人がいてくださいます。
だからこそ、ここまで続けてこれたのだと思います。
芸歴50年、60年という方が大勢いらっしゃる演芸界の中で、
芸歴20年というのは、ただの通過点、なのかもしれません。
でも、とても、とても、幸せな20周年を迎えることができました。
本当にありがとうございました。
すべての人に、心より感謝申し上げます。
貞寿 拝